2019-05-09

伊那谷の暮らしと住まい 発刊

伊那谷の暮らしと住まい写真

 飯田歴史研究所主催の建築史ゼミから小冊子「伊那谷の暮らしと住まい」が発刊されました。私も「住み継ぐかたち」「クラとナガヤのある暮らし 」 というタイトルで4ページ分の文章を担当しました。

クラとナガヤのある暮らし写真

 建築史ゼミに参加することで、伊那谷の住まいの特徴や今後のあり方について、より深く考えるようになりました。
 伝統的な住まい方が見られる農村集落や既存のまち場において、少子高齢化・人口流出が進み空き家が増える一方、従来の土地利用を無視したスクラップ・アンド・ビルド型の宅地開発が進められる地域もあります。
 住まいは「暮らしの器」ですが、暮らしは時代やライフステージの変化に応じて移ろいます。空き家の増加は「暮らしの器」が時代の変化に順応しきれなくなっていることの表れでしょう。主屋に附属する「クラ」や「ナガヤ(伊那谷では蚕室や農業用の小屋のこと)」にも同じことが言え、農業離れや核家族化が進む中で、その必要性が急速に失われています。
 しかし、私はクラやナガヤには大きなポテンシャルがあると考えています。作業や貯蔵のための大空間、木や漆喰などの自然素材、長い年月を経た空気感…それらの要素は人を惹きつける力があります。具体的には、ゲストハウス、グループホーム、カフェなど、人が集まる空間として活用するのに適しているのではないでしょうか。
 建築史ゼミに参加する中で感じたことを今後の設計やまちづくりに活かしていこうと思います。

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