建築士会飯伊支部主催の「まちづくり講演会」に参加してきました。
講師は、u.companyの代表で数々のリノベーションを手がけてきた内山博文氏。
年のはじめから、ガツンと頭を殴られたような刺激的な内容でした。
・現在の空家増加は、建物の老朽化が主な要因ではなく、複雑な社会構造の変化によること
・スクラップ・アンド・ビルドで、住宅を数十年で建替えるサイクルには限界が来ており、建物の価値をいかに上げるかが求められていること
・まちの魅力は「境界の曖昧さ」や「用途の混在」にあること
・キーワード…「多様性」「人間性」「ヒューマンスケール」「センシュアス」
・これからの時代は、自分の関係する物件だけが得するような考え方ではなく、地域全体の価値を上げるエリアマネジメントの考え方が重要であること
・リノベーションにおいては、建築的な手法の前段階として、コンセプト、ターゲティング&マーケティング、ソフト、事業計画の検討をする必要があること
・持続可能な発展のため、特に事業計画から逃げないこと
・リノベーションの成功には、一つの分野の専門性だけではなく横断的な知見が必要であること
ちょうど、別件で空き家の活用について執筆中だったので、非常に示唆に富む内容でした。
私が都会でなく地方で活動するのは、自分が生まれ育った土地の古き良きものを利活用して地域貢献したいと考えているからです。
ただ、その目的を達成するためには、建築士のステレオタイプな在り方には疑問を感じていました。
古いものを利活用していこうとする際には、設計というフィールドのみにいては限界があります。
まずは設計のプロであるべきですが、より広範な知見が必要だと再認識させられました。
銀行員時代に法人融資や不動産取引に携われたこと、豊丘村(田舎)、松本(地方都市)、東京(大都会)という性格の異なる地域で暮らしたこと、それらが私の強みとして地域貢献に活かせるのではないかと考えています。