空き家調査と歩くこと

空き家調査

 所属する建築士会のお仕事で、飯田市の空き家調査を行いました。本業務に参加するのは今回で3回目で、1年目は橋南、2年目は鼎・上村、3年目は竜丘を担当し、そこには今まで行ったことがない場所も多く含ま れていました。
 高校卒業後、地元を15年ほど離れていた自分にとって、本業務は貴重な建築体験の場でもあります。思い返せば、既に車社会が到来していた幼少・学生時代はまちに対するイメージが断片的で、目的地が点在しているような感覚がありました。その認識を変えたのが「まちを歩く」行為です。まちを自分の足で歩き、地形の起伏や空気感を直接感じ、建築物を観察する。その積み重ねによって、まちを「面」で捉えることが出来るようになってきました。本業務の趣旨とは一見ずれた視点に思われます。しかし、空き家の利活用においては、建物単体で物事を捉えるのではなく、土地の文脈を読み解いて建物周囲の環境にも良い影響を与える提案が求められています。まちを歩く行為はその一助になるのではないでしょうか。

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